◆殺人の追憶
バッドエンドなドラクエのよう
韓国の実在の連続女性猟奇殺人事件をモデルにした映画です.
リアリティがすごい! 実際に現場に立ち会ったかのような感じがします.
犯人を追う警官の視点でドラマは進行しますが,
その中で, 田舎 対 都会, 権力 対 一般, などいくつもの対立や力関係の変化も描かれています.
書き込みマニアでは! というくらい要素がつまっています.
見所が多いのですが,
性犯罪捜査ということで, 取り調べを受ける容疑者の性癖が晒される, 情けないおかしさとか,
田舎の刑事と彼女の関係が,
最初は 「安い充電」 みたいだったのが, だんだんと心の支えみたいになっていくところとか,
圧巻は, 話しの展開がちょうどドラクエのようで,
ちょっとずつヒントが与えられて進んでいって,
刑事たちが犯人を追い詰めた, と思ったときに,
実際には自分のほうが精神的に追い詰められていくあたりです.
自慢の捜査の武器
[ ドロップキック, 目を見ればすべて分かる, 書類は嘘をつかない ] で,
自分が止どめを刺される場面は, バッドエンディングながら見ごたえあります.
(特に, ドロップキックなんていう大技が決まってしまう, という
相手が避ける事も許されない取調室でしかありえない 幼稚で甘やかされた正義感が,
現実には通用しなくなっていくあたりは, 凄味ありです).
そして, ゲームと違って, 取り返しのつかない失敗をしても,
コンティニューすることはできなくて,
しかも, ゲームオーバーにもならない, という最後です.
すごい作品です. 覚悟を決めてみてください.
# ブログに ( プロフィールからリンクしています) 真犯人は? を書いてみました.
1986年ソウル近郊の農村で起こった女性の猟奇的殺人事件。特別捜査本部のトゥマン刑事はソウル市警から来たテユン刑事と組んで事件に挑むが、捜査方法の異なるふたりは対立し、何度も失敗をする。しかし、ある出来事がきっかけとなり有力容疑者が浮上する。
実際に起きた未解決事件をもとに『吠える犬は噛まない』のポン・ジュノ監督が脚色&監督した韓国の傑作サスペンス。前半は田舎刑事トゥマンの強引な捜査方法や都会派テユンとのやりとりをユーモラスに描きコミカルな味わいもあるが、どしゃぶりの雨の中、畑の一本道での犯行シーンの身の毛もよだつ恐怖、有力容疑者の尋問、決定的な証拠につまづくジレンマなど、強烈なサスペンスには目が釘付けになること必至。人間描写、伏線の張り方など、ジュノ監督のパーフェクトな演出力にはうなるばかり。またトゥマン演じるソン・ガンホ、テユン演じるキム・サギョンほか役者の演技も素晴らしい。恐怖の余韻を残すラストシーンも秀逸だ。(斎藤 香)








