◆情愛
恋愛と結婚をめぐる二人の事情
1950年代のアメリカ映画「LOVE IS A MANY-SPLENDORED THING」は、『慕情』と邦題が付けられ永く記憶に残る名作、名訳となりました。安易に二字熟語を当てるのではなく、原題「Marriage is a Crazy Thing」の本作は、曖昧な印象を与える『情愛』よりは直訳した方が相応しかったように思います。奇しくも対語になっているかのような二つの題名。愛は輝かしく素晴らしい。しかし、結婚は狂気。皮肉にも説得力があって、言い得て妙ですね。
結婚したい女と、結婚したくない男、の物語は、それぞれの恋愛観、結婚観を知的で洗練された会話に乗せて、観る者にいろいろな疑問を投げかけてきます。
何故、彼女(ヨニ)は、他の男性と結婚したのか? 彼(ジョニョン)が、頑なに結婚に背を向ける訳は? 双方に経済的理由が語られているが、部屋を借りて週末を過ごす二人の姿は、結婚生活そのものなのでは?
プレイボーイの大学講師(教え子の女生徒とは交際しない程度の分別は持ち合わせている)と、不倫する人妻(今のところ、夫との結婚生活を壊すつもりはない)という、不道徳極まりない役柄をカム・ウソンとオム・ジョンファがさらりと演じて、爽やかな印象さえ感じさせています。
ラストシーン、開けた扉の向こうに何が待ち受けているのか凄く気になります。また、観終わって誰かと感想など是非話し合ってみたいと思わせる作品でもあります。




